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新生児の睡眠時間とは「寝すぎて不安」注意するべきポイントを解説

赤ちゃんとの生活が始まって数日。「赤ちゃんって3時間ごとに起きるんじゃないの?」「なんだかずっと寝ている…」と、理想と現実とのギャップを感じる方がいるかもしれません。赤ちゃんがずっと寝ていると「こんなに寝ていて大丈夫なんだろうか」と不安になりますよね。そこで今回は、新生児の睡眠時間の目安と、たくさん寝る赤ちゃんについて注意するべきポイントを解説します。寝かしつけのコツも合わせてみていきましょう。

新生児の睡眠時間の目安

新生児の睡眠時間は約16〜20時間といわれています。まだ昼と夜の区別がなく、「1~2時間起きて、1~4時間眠る」というサイクルを繰り返します。[1]

産後の疲れた体で、この目まぐるしい睡眠サイクルに付き合うのは至難のわざ。家事の手を抜いたり、家族の手を借りたりして自分の心と体も休めるよう心がけましょう。

月齢別の赤ちゃんの睡眠時間の目安を、以下に紹介します。

月齢睡眠時間の目安特徴
0ヶ月16~20時間1回の睡眠時間は短い
3ヶ月14~15時間昼と夜の区別がついてくる
6ヶ月13~14時間6~8時間連続して眠れるようになる
12ヶ月12時間昼寝は1回程度で夜連続して眠れる

上の表はあくまでも目安の睡眠時間。大人でも人によって必要な睡眠時間がさまざまなように、赤ちゃんの睡眠時間にも個人差があります。

赤ちゃんの睡眠リズムを大切にし、気にしすぎないことがお母さん・お父さんのストレスを溜めないポイントです。

新生児が昼も夜も寝ている理由

新生児は体内時計がまだ整っていないため、昼夜の区別なく短い睡眠を繰り返します。

地球上のほとんどすべての動物には、体内時計があるといわれています。人でいえば、「暗くなると眠くなり、明るくなると目が覚める」といったリズムのことです。

新生児はこの体内時計がまだ整っていないため、昼も夜も関係なく1日16時間以上も眠って過ごすのです。[2] 生後3〜4ヶ月頃からだんだんと体内時計が整ってきて、6ヶ月くらいになると夜にまとまって寝てくれるようになるでしょう。[1]

新生児の寝かしつけの3つのポイント

授乳途中にうとうとと眠り始める赤ちゃんがいる一方、寝かしつけに苦労しているお母さんやお父さんもいるのではないでしょうか。

ここでは、以下3つの新生児の寝かしつけポイントを紹介します。

新生児の睡眠時間は個人差がありますが、基本的な内容としておさえておきましょう。

室温を調整する 

赤ちゃんは大人よりも暑がりです。[3]

暑すぎず、寒すぎない室温を目指しましょう。

<室温の目安>

夏:外気温より4~5℃低いくらい
冬:20~25℃程度

<湿度の目安>

50%前後が目安

冷えや乾燥の原因になるため、エアコンやファンヒーターの風が直接あたらないよう気をつけてください。

昼と夜のメリハリをつける

昼は明るくにぎやかに、夜は暗く静かな環境を作り、メリハリのある1日をすごせるようにしましょう。

・昼間:音楽をかける・声かけをする・遊ぶ
・夕方から:あまり刺激が多くならないよう配慮する [4]

赤ちゃんの体内時計は、脳の発達に加えて、日常生活を通して整っていくといわれています。[5] 赤ちゃんが昼と夜の区別がつくようサポートしてあげてください。

おやすみ前のルーティンをつくる

寝る前のスケジュールを習慣化することも、寝かしつけをスムーズにするポイントです。[4] たとえば、以下のような流れを睡眠ルーティンとして習慣化する方法があります。

・パジャマに着替える→絵本を読む
・布団に横になる→子守唄を歌う

睡眠ルーティンが確立され「この流れは寝るタイミングだ」と認識できるようになれば、赤ちゃんが安心してすんなり眠るようになるでしょう。

よく寝る新生児 5つの観察ポイント 

基本的に、赤ちゃんが起きるまで無理に起こす必要はありません。[6][8] ただし、赤ちゃんの状態でいつもと違うところはないかは定期的に観察しましょう。以下に寝ている赤ちゃんの観察ポイントを紹介します。

観察ポイントがわかれば、ご両親も過度に心配せず赤ちゃんの様子を見られるようになります。順番に見ていきましょう。

呼吸

  • 苦しそうな呼吸ではないか
  • 息を吸うとき・または吐くときにヒューヒューという音はしていないか

いつもの呼吸と変わりないかを確認しましょう。

  • 顔やくちびるは紫や青白い色でないか
  • 苦しそうな表情はしていないか

顔色や表情をよく観察してください。

体温

赤ちゃんの体に触れて、熱すぎない・冷たすぎないことを確認してください。気温が低いとき赤ちゃんの手足が冷たいのは、赤ちゃんが自分で体温調節をしているためです。[7] 首や胸などが冷たくなければ、様子をみましょう。

おしっこ

おむつを確認し、おしっこが出ていることを確認してください。「回数」「量」「色」「におい」がいつもと変わりないかも見てみましょう。

寝ている向き

うつぶせ寝になっていないか、赤ちゃんの寝ている向きを確認してください。新生児はまだ寝返りをしないため、寝ている向きが変わることは基本的にありません。

うつぶせのまま寝てしまうと、仰向けに戻れず危険です。念のため、仰向けで寝ているか必ず確認するようにしましょう。合わせて、タオルや掛け布団が顔にかかっていないかも確認してください。

Q:授乳のために起こした方がいい?

基本的には起こさず見守りましょう。ひとりにしすぎず、時々様子をみてください。[8]

ただし以下のようなときは脱水の危険もあるため、起こして授乳してください。

・おしっこが全く出ていない
・汗をたくさんかいている
・産院から授乳間隔を指導されている

授乳の回数が少なくて心配な方は、1ヶ月健診で医師や助産師に相談するといいかもしれません。

Q:赤ちゃんの上手な起こし方は? 

気持ちよく寝ている赤ちゃんを起こす必要は基本的にありませんが、授乳やおむつ換えなどで起こすこともあるでしょう。

そのときに、赤ちゃんが少しでも不快な思いをせずに起きられるよう、上手な起こし方のコツを紹介します。

<上手な起こし方のコツ>

・カーテンを開けて部屋に日の光を入れる
・やさしく声かけをする
・足の裏やお腹をくすぐる

赤ちゃんが目を開けて周りを確認する様子がみられたら、声をかけてお世話を始めてください。

いきなり抱き上げたり、大きな声を出したりすると泣いてしまうことがあるので気を付けましょう。

まとめ

新生児は、1日16~20時間寝ているといわれています。産院では3時間ごとに授乳すると習ったのに、長い時間寝続けていると心配になりますよね。

基本的には起こさなくて大丈夫ですが、赤ちゃんのそばで過ごすようにして、顔色や呼吸などは時々確認してください。お母さん・お父さんも、その間に少し体を休められるといいですね。今しか見られない、新生児ならではのかわいい姿を見守りましょう。

参考文献

[1]厚生労働科学研究費補助金 未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班「未就学児の睡眠指針」https://sukoyaka21.cfa.go.jp/media/tools/s4_nyu_pan004.pdf

[2]東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター「乳幼児の睡眠と発達」岡田(有竹) 清夏(2017)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/60/3/60_216/_pdf

[3]東京都福祉保健局「赤ちゃんのための室内環境」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/pri08.pdf

[4]独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業「夜泣き予防プロジェクト ママと赤ちゃんがよく眠れるように」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2155e51b-cf4d-4b91-bad6-f58999c05381/6f3a6ca5/20231107_councils_shingikai_kodomo_kosodate_kikaku_XegqFr99_05.pdf

[5]国立保健医療科学院「正常新生児の概日リズム」宮尾益英https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1984/s5908055.pdf

[6]厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02_0002.pdf

[7]浜松市子育て情報サイトぴっぴ「手が冷たいときはミトンをつけるべき?」
https://www.hamamatsu-pippi.net/sodan/hamasukuqa/hamasukuqa-list/8060.html

[8]浜松市子育て情報サイトぴっぴ「眠っていることがとても多い」
https://www.hamamatsu-pippi.net/sodan/hamasukuqa/hamasukuqa-list/8885.html