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赤ちゃんの理想的な頭の形とは?ゆがみの予防法・対処法も解説

新生児や乳児の保護者の皆さんが心配になることの一つが、赤ちゃんの頭の形のゆがみです。実は赤ちゃんの頭の形は生まれた時点である程度ゆがんでいることが多く、これは決して珍しいことではありません。 赤ちゃんの頭蓋骨は大人と違って柔らかく、脳の成長に合わせて形が変化していきますが、同時に外部からの圧力によってゆがみやすい特徴もあります。多くの場合は成長とともに自然に改善されますが、場合によっては専門的な治療が必要になることもあるため、適切な知識と対策を知っておくことが重要です。

赤ちゃんの頭がゆがむ仕組みと時期

赤ちゃんの頭蓋骨は、大人のように一つの固い骨でできているわけではありません。複数の骨が縫合線という継ぎ目でつながっており、この構造によって脳の急速な成長に対応できるようになっています。

頭蓋骨の柔軟性と成長過程

生後1歳頃までは、頭蓋骨が非常に柔らかく変形しやすい状態にあります。この柔軟性は脳の成長には欠かせないものですが、同時に外部からの圧力によって形がゆがみやすくなる原因でもあります。 特に生後3か月頃にゆがみがピークを迎え、その後6か月頃には自然に改善する傾向がありますが、重度のゆがみの場合は治療が必要になることもあります。

ゆがみが形成される3つの段階

赤ちゃんの頭の形のゆがみは、妊娠中から出生後まで、複数の段階で形成されます。まず妊娠中は、子宮内の狭い空間、逆子、双子や多胎妊娠、早産などが原因で頭部に圧力がかかることがあります。 出産時には、吸引分娩や難産などが外力となってゆがみの原因となる場合があります。そして出生後は、向き癖により同じ方向を向いて寝続けることで、頭の形が偏って変形することが最も多い原因となっています。

頭のゆがみの特徴

赤ちゃんの頭のゆがみには、主に以下のような種類があります。それぞれ原因や特徴が異なるため、正確な把握が重要です。

斜頭症(しゃとうしょう)

斜頭症は、頭を上から見た時に平行四辺形のような形になる状態です。一方の側頭部が平たくなり、反対側が突出して見えるのが特徴で、向き癖が主な原因となります。 額の形も左右で異なって見えることが多く、耳の位置にもずれが生じる場合があります。日本の調査では、生後1か月の時点で66.1%の赤ちゃんに何らかの斜頭症の傾向が見られるという報告もあります。

短頭症(絶壁)

短頭症は、後頭部が平らになって頭が丸くならない状態で、一般的に絶壁と呼ばれることもあります。逆子での出産、吸引分娩、長時間の仰向け寝などが主な原因です。 頭を横から見た時に、後頭部の丸みが失われて平たく見えるのが特徴で、頭の前後の長さが短くなり、相対的に幅が広く見えることもあります。

長頭症

長頭症は、横から見ると頭が長く見える状態です。特に長時間横向きに寝ることが原因となることが多く、NICU(新生児集中治療室)で長期間過ごした赤ちゃんに見られる傾向があります。 頭の左右の幅が狭くなり、前後の長さが長くなるため、全体的に細長い形になるのが特徴です。

家庭でできる予防法と対策

赤ちゃんの頭のゆがみは、日常的な寝かせ方や抱っこの仕方を工夫することで、ある程度予防や改善が可能です。

体位を変える

最も重要なのは、赤ちゃんの頭の向きを定期的に変えることです。授乳の度に左右交互に抱っこしたり、寝かせる時に頭の向きを変えたりすることで、同じ部位への圧力を避けることができます。 仰向け寝は乳幼児突然死症候群の予防のため推奨されていますが、起きている時間はうつ伏せで過ごす時間も作ることが頭の形を整えるために効果的です。

日常生活での工夫

ベビーカーやバウンサー、車のチャイルドシートなどで長時間過ごす際も、頭の向きや姿勢を定期的に変えることが大切です。また、起きている時間にはできるだけ抱っこをして、頭に圧力がかからない時間を作ることも重要です。 枕やクッションの使用については、安全性を考慮して医師と相談しながら判断することをおすすめします。市販の頭の形を整える枕などもありますが、使用前には必ず小児科医に相談してください。

治療が必要な場合の判断基準

多くの頭のゆがみは成長とともに自然に改善されますが、場合によっては専門的な治療が必要になることもあります。

病気ではないゆがみと病気によるゆがみの違い

赤ちゃんの頭の形がゆがんで見えるとき、大きく分けて「病気ではないゆがみ」と「病気によるゆがみ」の2種類があります。 まず多くの赤ちゃんに見られるのが「位置的頭蓋変形症」です。これは長い時間同じ向きで寝たり、ベビーカーや抱っこひもで頭に外からの圧力がかかることで起こるゆがみです。見た目は気になりますが、脳の成長にはほとんど影響がありません。 一方で、「縫合早期癒合症(ほうごうそうきゆごうしょう)」という病気によるゆがみもあります。赤ちゃんの頭の骨は本来「縫合線」というつなぎ目が柔らかく開いていて、脳の成長に合わせて広がる仕組みになっています。しかし、この縫合線が通常より早く閉じてしまうと、脳が大きくなるスペースが制限され、頭の形だけでなく脳の発達にも影響が出る可能性があります。 縫合線早期癒合症は放置すると危険なため、できるだけ早く治療が必要です。ただし、見た目だけでどちらのタイプかを判断するのは非常に難しいため、気になる場合は自己判断せずに必ず小児科や専門医に相談してください。

治療のタイミング

ヘルメット治療などの専門的な治療を行う場合、生後4か月から1歳頃までが効果的とされていますが、特に6か月以前に開始することが望ましいとされています。 生後4~8か月で重度のゆがみがある場合、約70%が重度のまま改善しないという研究報告もあるため、早期の専門医相談が重要です。

専門医によるヘルメット治療

重度のゆがみや自然改善が期待できない場合には、ヘルメット治療という専門的な治療法があります。

ヘルメット治療の仕組み

ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭の形に合わせて作成された専用のヘルメットを装着することで、成長する部位には圧力をかけず、突出している部位には適度な圧力をかけて形を整える治療法です。 東京の国立成育医療研究センターの研究では、ヘルメット治療は頭蓋非対称の改善に有意な効果があり、安全性も高いことが確認されています。

治療の流れと効果

ヘルメット治療の期間は一般的に3~6か月程度で、1日20時間以上の装着が推奨されます。定期的に形状をスキャンして評価し、必要に応じてヘルメットの調整を行います。 3Dスキャナーによる客観的評価では、生後1か月の時点で重症度を予測することも可能で、95%以上の精度で治療の必要性を判断できるとする研究もあります。

いつ専門医に相談すべきか

赤ちゃんの頭の形について心配になった場合、どのタイミングで専門医に相談すべきかを知っておくことが重要です。

専門医に相談してよいサイン

以下のような場合には、早めに専門医に相談することをおすすめします。まず、生後2~3か月を過ぎてもゆがみが改善されない場合、左右の非対称が目立つ場合、後頭部の平坦が大きい場合などです。 特に向き癖が強く、体位変換などの対策を行っても改善が見られない場合は、専門医による評価を受けることが大切です。

自然に良くなるケース

一方で、軽度のゆがみの場合は自然に改善することも多いため、過度に心配する必要はありません。生後6か月頃には多くの場合で改善傾向が見られるため、まずは家庭での対策を継続しながら経過を観察することも重要です。 ただし、親御さんが不安を感じる場合は、安心のためにも専門医に相談することをおすすめします。早期の相談により、適切な対策や治療方針を決めることができます。

まとめ

赤ちゃんの頭のゆがみは、妊娠中から出生後まで様々な要因で生じる可能性がありますが、多くの場合は成長とともに自然に改善されます。重要なのは、適切な予防法を実践しながら、必要に応じて専門医に相談することです。 体位変換や抱っこの工夫などの家庭での対策を継続し、改善が見られない場合や重度のゆがみが疑われる場合は、生後6か月以前に専門医による評価を受けることをおすすめします。赤ちゃんの健やかな成長のために、正しい知識を持って適切な対応を心がけてください。

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